アウトサイダー
「なぁ、紗知。
お前、篠川くんに会ったの、初めてじゃないだろ」
永沢さんのあまりに鋭い観察眼は、私たちの関係まで見抜いているの?
「いえ……」
しどろもどろになる私に、永沢さんはきっと確信を持ったのだろう。
「斉藤が珍しくべた褒めするから、篠川くんの図面見たんだ。
彼の図面は必ずリビングが充実していて、上手くは言えないけど、紗知と同じものを感じた。
そうだな、俺とも。
ずっと欲しかったものを求めているのかもしれないと……思ってしまった」
彼は私から視線を外さない。
「それに、この間会った後、お前変だったし」
そう付け足した永沢さんは、ちょうど運ばれてきたパスタに手を付けた。