アウトサイダー

「彬さん……」

「どうしたの? どうしてほしいの?」


涙目の私に向かって、彼はベッドの中でこんなに意地悪な言葉を吐く。


「紗知、俺をもっと求めてごらん。もっと、もっと……」

「彬さん……あぁぁ……っ」


激しい息遣いを隠すことなく時折私をギュッと抱き寄せる彼に、すべてをゆだねて悶える。


「はぁっ……あっ……」


私が髪を振り乱して甘い溜息を漏らすと、彼が激しく腰を打ち付ける。



『俺をもっと求めてごらん』

その言葉に、ドキッとしてしまった。


彬さんにこうして抱かれるのは、正直言って気持ちいい。
だけど、どこか別のところに意識を飛ばしている自分がいる。

もしもこの手が……彬さんでなくて――。


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