アウトサイダー
「紗知、愛してるよ」
私の耳を甘噛みしながらそう囁く彼に、ギュッとしがみ付いて涙を隠す。
太陽も今頃、百合さんを抱いているのかもしれない。
こんな愛の言葉をささやきながら。
もう私には、彼しかいないんだ。
もう、太陽とは、終わったんだ……。
辛い。
たまらなく、辛い。
やっと太陽に会えたというのに、嬉しいはずの再会は私たちを完全に引き裂く引き金になってしまった。
互いに知らないところで幸せに暮らしていければ、よかったのかもしれない。
心の中に彼との思い出を残しながら。