アウトサイダー
「池森さん家にも置いちゃおうか」
「うん、それいい考え」
彬さんはそうやって、私が時々母の様子を見に行く機会を与えてくれる。
そういう細かな気遣いもありがたかった。
いくつかのオイルと、そして二人で相談して買ったフカフカのタオルやピカピカのグラス。
それは私たちを幸せにした。
彬さんとの生活が、確かにある。
雑貨屋さんを出ると、その近くにある輸入品を扱うスーパーにも足を延ばした。
ここに来ると、見慣れない食品がたくさんあって楽しい。
買わなくとも、見ているだけで。
少し高級品を扱うそのスーパーは、昔の私には考えられない場所だった。