アウトサイダー

カゴいっぱいに買い物をしている人もいる。
目が飛び出すような高いお肉を手に取る人もいる。


世の中って難しい。

やっとのことで食べている人もいれば、毎日こんなに贅沢な暮らしをしている人もいる。


妬むわけではない。
だけど……こんなに生活が違う人には、私たちが歩んできた道は、きっと理解できないと思ってしまう。



「すみません」


彬さんとふたりで調味料のコーナーにいた時、後ろの人にぶつかってしまった。


「いえ、こちらこそ」


少し頭を下げて会釈をした後、顔をあげると……。


「あっ」

「あっ!」


それは、百合さんだった。


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