アウトサイダー
ふたりでキッチンに並んで、夕食を作って……。
そして、私から彼を求めた。
「抱いて」と。
もしかしたら、そんなこと初めてだったのかもしれない。
昨日抱かれたばかりなのに、彼にそうしてもらわなければ、体と心がバラバラになって千切れてしまいそうだった。
私は、ここにいる。
彬さんに愛されて、抱かれている私が。
そして私は……ずっとここにいる。
彼の鋭い瞳から、もう逃れられないと自分に言い聞かせる。
狂おしくて、愛おしくて、切なくて……この世にあるすべての感情を、私は彬さんにささげよう。
そうしなければ私はきっと……別の場所に癒しを求めてしまうから。