アウトサイダー

懺悔


その日から、彬さんは私との結婚を急いでいるように、話を進めた。

まるでなにかに取りつかれたように、コウさんと母に報告に行き、プロポーズから初めての休日に式場の下見までして。


コウさんと母は、手を叩いて歓迎した。
それを前提でふたりで暮らしていたのだから、当然といえば当然だ。


だけど、特に母の喜んだ顔を見て、私は彬さんとこういう事になって本当に良かったと思った。


ずっと私の幸せを求め続けた母は、コウさんと一緒になって自分が幸せを得た後、一層私に罪悪感を持っているようにさえ思えた。

それはまるで……
“愛が足りなくてごめん。自分だけ幸せになってごめん”

そんな懺悔を、いつもいつもしているようにさえ見えた。



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