アウトサイダー
それが決して母のせいではないとわかっていたけれど、寂しかった日々があったのは否定できない。
だけどこれでやっと、母にのしかかっていた重荷も取り除かれるのかもしれないと思った。
彬さんの実家には、次の休みにお邪魔した。
何度かお会いしたことはあったけれど、こうして正式に嫁になる者としてこの家の敷居をまたぐのは緊張するものだ。
「紗知さん、いらっしゃい。待ってたよ」
優しいお父さまの声で、少し緊張が緩む。
「俺、紗知と結婚する。できればすぐに」
「えっ?」
そんな驚きの声を漏らしたのは、私だけでなく、お母さまも。