アウトサイダー

「彬、どうしてそんなに焦っているの? 
女の子はね、ドレスだってゆっくり決めたいし、色々用意したいこともあるし、一番楽しい時なのよ。
そんなに急かさないでゆっくり決めたらいいじゃない」



彬さんとの結婚を決めた後も、私はどこかそれが夢の中の話のような気がしていた。

だけどすぐにと言われて、突然現実のど真ん中に放り出されたような気分になる。



こんなに強引な彼は、初めてだった。
ご両親の言葉に耳を傾ける様子すらなく、早い時期にという言葉を繰り返す。


だけど……私はそれになにも言えずにただ俯くことしかできなかった。

「すぐに」という彬さんの言葉に激しく動揺して。


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