アウトサイダー

「できれば、仕事を辞めてくれないか」

「えっ?」


その言葉は私を激しく揺さぶった。

ずっと私の仕事には理解のあった彼がそんな言葉を口にするなんて、少しも想像していなかったからだ。

実際、コウさんが「結婚すれば」と私たちに勧めた時、「働きたいよな」と助け船を出してくれたのは、彼だった。


「いや、別の仕事ならいい。建築の仕事は、もう辞めてくれ」

「えっ? どうして? 私はこの仕事がやりたくて……」

「わかってる。だけど、嫌なんだ」


彼が少し困ったように頭を抱える。

彼は私を離すと、椅子を乱暴に引き出して座った。


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