アウトサイダー
「誰なんだろうってずっと思ってた。
だけど、この間彼に会ったとき、妙に余所余所しく挨拶を交わした君たちに、こいつだって思った。
紗知の胸の中に住み続けている男は。
そして、まるで罪を償うかのように「抱いて」とせがんだ紗知を見て、それは確信となった」
少しイライラした様子の彼は、テーブルの上の大きな手をギュッと握り締めた。
「連絡を取っているのか?」
「違う! 確かに太陽はずっと私を支えてくれた人。
偶然会って、名刺ももらった。
でも、それは仕事で出会う前なの。
彼は私がこの仕事に就いていることも知らなかったし、まして彬さんがいることも知らなかった。
ただ、私を心配して連絡先を……」