アウトサイダー
「んっ……痛いっ」
「痛いんじゃない。気持ちいいだろ?」
涙が、零れそうだった。
あの頃のことをフラッシュバックして。
見えない檻に閉じ込められていた私と母。
そして、痛いとも辛いともいう事すら、阻まれていた。
そう、私が悪い。
彬さんを裏切るような真似をした私が。
だって、確かに私の気持ちは……太陽の方を――。
「俺の事好きか?」
「うん。好き」
「愛してるか?」
「愛してる」
そんな言葉がどんな意味を持つのか分からない。
半ば無理矢理言わせられたような言葉。
だけど、それらは私の中枢を麻痺させていく。
私が好きなのは彬さん。
愛しているのは――彼ひとり。