アウトサイダー
そうやって彬さんは私を一晩中抱き続けた。
やっと解放された体には、あちこちに彼の印が。
押さえつけられていた手首は、くっきりと彼の手の跡がついていた。
震えた。
またあの地獄がやってくるのかもしれないと。
いや、そんなはずはない。
彬さんは父とは違う。
私が、悪かっただけ。
次の日、彼はすっかり元通りになっていた。
いつものように柔らかな笑みを浮かべながら、美味しいと言いつつ私の作った食事を頬張る。
「行ってくる」と言いながら、私の額にキスを落とすのも、いつもの彼。
私も身支度を整えて、出社した。
ひとつの決意を、携えて。