アウトサイダー
卒業式の次の日。
太陽は自分は学校をさぼって、私を遊園地に連れて行ってくれた。
初めてだった。
父があんな風になってから、こんなに楽しいことは。
母に話しておいてくれたようで、母は忙しいのに私たち二人分のお弁当を用意してくれていて、「行けなくてごめんね」とまで言ってくれた。
私のために、働いているのに。
私の、ために……。
「ねぇ、太陽。私がいなかったらお母さん楽になるのかな」
ずっと引っかかっていたことを、最後にふたりで乗った観覧車でつぶやくと、太陽はハッとした顔で私を見た。