アウトサイダー
もし暴力が間違いだとしても、私は……私がしていることは、きっとひどいことなんだ。
皆を苦しめて、自分だけ自分の気持ちを貫いて。
そんなの、きっと我儘。
そうやって、考えることしかできなかった。
ずっとずっと、アウトサイダーとして後ろ指差されて生きてきた私には。
社会のはみ出し者が、我が儘を言うなんて、きっと許されないのだと。
「紗知、今日は行こう」
永沢さんは、茫然と立ち尽くす私を再び引っ張って車に乗せ、彬さんの前から遠ざかった。