アウトサイダー
宣戦布告
永沢さんのマンションについたとき、放心状態で玄関に立ち尽くしてしまった。
自分がなにをしているのか。
誰が、悪いのか……。
そんなことを考えて、泣きそうになる。
覚悟を決めて出てきたはずなのに、彬さんの顔を見た瞬間、揺らいでしまった。
彼は私を大切にしてくれたのに……。
「紗知、今はなにも考えるな。
お前の事だ、またひとりで全部背負うから」
そう言った永沢さんは私からボストンバッグを奪うと、奥の一室に入っていく。