アウトサイダー
彼と私のデートは、お金をかけずがモットーだった。
どうしても見たい映画は、DVDのレンタルが始まるまで待った。
どうしても欲しいものは、リサイクルショップを探して歩いた。
だけど、決して嫌なんかじゃなかった。
いつも隣に彼がいたから。
そして、私たちは住宅街を散歩するのが好きだった。
私たちの住むアパートからもう少し駅近くまで行くと、立派な家が並ぶ住宅街があった。
私たちは何の目的もなくそこを訪れ、空想を膨らませるのが日課だった。