アウトサイダー
ずっと膝を抱えて肩を震わせて、隠れているしか仕方がなかった私が、今はこんなにも優しい人に囲まれて、息をすることができる。
なにもかも諦めていた私に、こんなに光が差し込んでいる。
太陽は?
太陽もそうあってほしい。
「紗知はいつも篠川くんの事を考えているんだな」
「えっ?」
「わかりやすいぞ、紗知は。
あわよくば篠川くんからも奪ってやろうと思ったけど、こりゃ難しそうだ」
「ごめんなさい、私……」
「謝るなよ。それが男と女ってやつだ。
お前たちはきっと、誰にも分からないような絆があるんだろうな」
永沢さんはお茶を一口飲んで、再び口を開く。