アウトサイダー
「だけど俺、諦めないし。
お前は好きなように進め。後悔しないように、ぶつかってみろ。
もしもダメなら、俺がもらってやる。
まぁ、欲しいのは俺だけど」
クスッと笑った彼は、私のお弁当から小さいコロッケを奪っていく。
「いただき。家賃な。
早く食わないと、飯しかなくなるぞ?」
私は小さく頷いて、それに箸をつけた。
しょっぱいばかりでなんの味だか分からなくなってしまったお弁当は、それでも私の空腹を満たしていく。
それと同時に、私の心の中は、永沢さんの優しさでいっぱいになった。