アウトサイダー

「池森さんの妄想とやらを聞かせてください」

「えっ?」


思わぬ申し出にたじろいでしまう。

他の男(ひと)と結婚しようとしていた私が、バカみたいに今でもあの頃のことを追い続けていると知ったら、太陽は呆れるだろうか。


「紗知」


今度私の名を呼んだのは永沢さんだ。


「まぁ、座れ。
今回の仕事は、まだ住む人間が決まっていない。
そういう場合は、家族構成などを仮定して造るしかない。
だからお前の描いたこれ、あながち間違いではない」


永沢さんはそういうと、私のイメージスケッチをもう一度手に取った。


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