アウトサイダー
第5章
フラッシュバック
「ただいまー」
「おかえりなさい」
永沢さんが帰ってきたのは、それから3時間ほどしてから。
「時間、かかったんですね」
「あぁ。でもお陰でクライアントの希望通りのものができそうだ」
「本当ですか? よかった」
彼は今、美容院を手掛けている。
あの住宅地のこともあって一旦は断りを入れたのだけれど、どうしてもという希望で引き受けたのだ。
「すごくいい店になりそうだ。
紗知も切ってもらうといい。
業界ではかなり有名な人らしいぞ、オーナーさん」
「はい。期待してます」
それから私の作った料理をふたりで食べた。