アウトサイダー
「カタン」
けれど、その音が何度も耳に届くようになって不思議に思った私は、音の聞こえる寝室へと向かった。
「カタン」
なに?
その音はベランダから聞こえる。
なにかが窓にあたっているような?
締め切ったままにしてあったカーテンを開けて窓を開けてみると、足元にいくつかの小石が転がっていた。
「紗知!」
「えっ?」
ふと顔をあげると、向いのマンションの階段の踊り場から身を乗り出すようにした永沢さんが……。
「紗知。無事なんだな?」
「永沢、さん」
その時、もうひとりの人影が……。