アウトサイダー
「永沢さんが教えてくれるまで、少しも気づかなかったの。
千島くんとうまくやっているとばかり。
あなたにまでこんな地獄を……」
その言葉を最後に、、母も泣き崩れる。
「落ちついてください。必ず僕がおふたりをお守りしますから」
「永沢さん、ごめんなさい」
「なに謝ってるんだ。
俺が好きで顔を突っ込んだんだぞ?
自分の力で解決できずに、お母さんにまで心配かけてごめんな」
そんなことない。
きっと同じように永沢さんひとりで乗り込んできてくれたって、私は部屋から出なかっただろう。
きっとそれを見越して、彼は母に連絡をしてくれたのだ。