アウトサイダー
第6章
俺の女
その日は夕方からの打ち合わせがかなり長引くからということで、私は先に部屋に送ってもらった。
永沢さんの車は何度も裏道を回りながら、ウイークリーマンションにたどり着いた。
「一応な」
彬さんに万が一にもばれないように、いつもこうして来てくれているのだと知って、申し訳なくなる。
「明日の朝、また来る。できればフルに戦力として戻ってほしい」
「はい」
この業界は残業が当たり前のようにある。
今日だってもしかしたら、かなり遅くまでかかるのかもしれない。
そんな素振りを全く見せない永沢さんに、頭が下がる。