アウトサイダー
太陽とあの家を実現したいのなら、いつまでも在宅勤務というわけにはいかない。
それに、あのプロジェクトは事務所をあげての大仕事で、無力な私ですらいた方がいいに決まっている。
だけど……。
そんな会話を聞いた母は、私を止める。
「紗知、お願い。あなたの体が一番大切なの……。
永沢さんのご厚意はよくわかる。あなたが仕事をしたいのも。
でもね……」
「わかってる。わかってるよ、お母さん」
私だってあの頃の二の舞はもうごめんだ。
そして、その辛さを知っている母に心配をかけるだろうことも。
どうしたらいいのだろう。
やっぱりなにかを諦めなければ、私は生きていけないの?