アウトサイダー
「紗知は眠れたのか?」
「えっ……はい」
眠れるわけがない。
だけど曖昧に返事を返すと、永沢さんはフッと笑う。
「わかりやすいな、紗知は」
「すみま、せん」
「だけど、その方がいい。
紗知はひとりでなんでも抱えすぎだから、感情をもっと出して誰かにわかってもらえ」
「えっ……」
「誰かに、な」
太陽、に?
なりふりかまうなと永沢さんに言われたけれど、そんな勇気を持ち合わせてはいない。
太陽はもう私のことなんて忘れて、百合さんと幸せになりたいと思っているのかもしれない。
それなら私は……いつまでも彼にすがりついていてはいけない。
きっと太陽は私のことを気にしてしまうから――。
彼はそういう人。