アウトサイダー

事務所が見えてきたとき、永沢さんが車を突然止めた。


「どうしたんですか?」

「お客さんだ」

「あっ……」


永沢さんの視線をたどると、ビシッとスーツを着こなしたあの人の姿が――。


「どうやら腰抜けじゃないらしいな」


そんな言葉を吐いた永沢さんは、私より先に車を降りた。

どうしたらいいのかわからない。
太陽が私たちの方に歩いてくるから。


「おはようございます」

「おはよ。また朝早くから、仕事熱心だね」

「いえ。紗知をいただきにきました」


そんな太陽の言葉に目を見開く。


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