アウトサイダー
「大丈夫。永沢さんが助けてくれたの」
それから私は、彬さんとの間にあったこと、そして永沢さんのことを正直に話した。
ずっと隠したままでは始まらないから。
「そう、か。また辛い思いをしたんだな」
太陽はもう一度私に手を伸ばして抱き寄せると、それきりなにも言わない。
彼自身も経験してきた暴力が、どれだけ辛いものなのかは言わなくたってわかっていて――。
彼の肩に頭を乗せて、今の幸せを感じる。
そうすれば、きっと忘れられる。
辛かったことすべて。