アウトサイダー
「斉藤さんに言われたんだ」
「えっ?」
「俺は永沢を応援する。お前じゃ力不足だって。
それでも紗知が欲しいなら、血を吐くような努力をしろと」
「そんな……」
斉藤さんがそんなことを……。
「斉藤さんも永沢さんも、今となっては売れっ子だけど、苦しい下積みがあったからこそ。
俺はふたりを尊敬している」
それは、私も同じだ。
「だから斉藤さんに言ったんだ。
必ずおふたりを超えてみせます。紗知を幸せにしますって」
「太陽……」
「これからは俺が紗知を守る。
永沢さんには負けない。お前に、後悔させない」
彼のそんな言葉に泣きそうになって、慌てて肩に顔をうずめた。