アウトサイダー
太陽はそれからすぐに、私の隠れているウィークリーマンションに来てくれた。
「太陽くん!」
母は、あの頃よりずっと大人びた彼に一目で気が付いて。
「ご無沙汰しています」
「さあ、上がって」
母の心なしかうれしそうな様子に、私の心も弾む。
小さなテーブルに向かいあうように座ると、母は突然太陽に頭を下げた。
「ごめんなさい。
あなたたちを別れさせるようなことをして」
「いえ、いいんです」
あの時、そうするしかなかったことを、きっと彼が一番理解している。
けれど、私たちの間に流れた長い月日はあまりに残酷だった。