アウトサイダー
その日は、太陽の部屋に連れていかれた。
借りていたマンションに寄って、身の回りのものだけ持って。
もともと着の身着のままで逃げてきたから、荷物はあまりなかった。
コウさんが借りてくれたウィークリーマンションは、週末に解約することになった。
久しぶりに彼の為に作った食事は、緊張して味もわからないくらいだった。
一番好きな人の為に再びこうして家事ができることが幸せでたまらない。
「手伝うよ」
「いいよ、座ってて」
「俺だって少しはできるぞ」
そう私の隣に立った彼は、ぎこちない手つきでジャガイモの皮を剥く。
「あっ」
「危ないって」
「あはは」
手が滑って苦笑いする太陽から包丁を取り上げて「座ってて」と促す。