アウトサイダー
その後、ここに残るといった母を説得してふたりで帰ってもらった。
ショックを受けたけれど、太陽が庇ってくれたおかげで、大きなけがをしているわけではない。
けれど、消灯がすぎても少しも眠れない。
父と母と話したことで少し落ち着いた私は、ベッドからそっと抜け出した。
さっきまでの震えも治まっていて、自分の置かれた状況を理解できた。
周りの人の優しさも、自分がどれだけ幸せなのかも。
すると、あんなに重かった体がすーっと軽くなって、自分の足で歩くことができた。
そして、その足は太陽の部屋に向かっていた。
真っ暗な廊下はひっそりとしていて、どこからか機械音だけが聞こえる。
看護師さんも見回りに出ているのかナースステーションも空っぽだった。