アウトサイダー
そっとドアを開けて部屋に入ると、太陽の規則正しい寝息が聞こえてきてほっとする。
ベッドの横のパイプいすに座って彼の寝顔を眺めると、勝手に涙が溢れてきた。
真っ赤に腫れた頬と、切れた唇。
あのとき、もしかして太陽は死んでしまうんじゃないかって、恐怖に震えた。
だけど……。
そっと手を握ると温かくて、また涙が溢れる。
「紗知?」
しばらくそうしていると、愛しいあの人の声がして。
「おいで」
自由になる片手で私をぐいっと引き寄せると、あっと言う間に私を抱きかかえる。
そのまま自分の布団に引き込んだ彼は、片手で器用に私を抱きしめた。