アウトサイダー
「太陽……」
「心配するな。もうずっと一緒だ」
「うん」
さっき会いに来たときよりずっとはっきりと言葉を話すのは、麻酔が切れてきたからかもしれない。
「太陽、痛い?」
「あぁ、ちょっとな。でも俺は満足してる」
「えっ?」
「やっと紗知を守れたなーって」
「太陽……」
そんな彼にしがみつくと、ドクドク心臓の音がする。
ずっと私はこの腕に守られていたんだ。
出会ったあの頃からずっと。
会えなかった時間も、すれ違っていた時間も、太陽の存在が私を成長させてくれた気がする。
「ありがとう」
「どういたしまして」
そうクスクス笑う彼に、再び幸せを噛みしめた。