アウトサイダー
「紗知……」
病室に取り残された私たち。
最初に口を開いたのは太陽だった。
「俺たちの、子だ」
その言葉に驚いて彼を見上げると、優しい笑顔で頷く。
そんな……太陽だってわかっている。
この子がきっと自分の子ではないことを。
「ゆっくり休んで、体を大切にしなくちゃな」
そんな彼の言葉に布団をかぶって泣いた。
「紗知……」
「お願い、ひとりにして」
どうして……やっと太陽と……。
彼が静かに病室を出ていくのを、歯を食いしばって耐えながら、絶望の深さにおののいていた。