アウトサイダー
彼と過ごした幸せな日々が頭の中を駆け巡る。
太陽はいつも私に寄り添ってくれた。
アウトサイダーだった私の居場所を作ってくれた。
私にも価値があるんだって、教えてくれた――。
初めてキスを交わしたあの日。
再び出会えた時の喜び……。
そのまま私は病室を抜け出した。
お願い、太陽。
あなたは幸せになって――。
こんな決断しかできない私を、許してください。
ひとりで産むことに、決めたのだ。
『俺たちの子』と言ってくれた彼の優しさに、すがってしまいたい。
だけど……この子は――。
このまま私が彼のそばにいては、彼の人生まで狂わせてしまう。