アウトサイダー
ひとりで
私はそれから、自然とあの街へと向かっていた。
太陽と初めて出会ったあの街に。
私たちが住んでいたアパートは、もうボロボロで、人影もない。
2階の太陽の部屋を見上げると、風に舞った彼の部屋の水色のカーテンが見えた気がした。
コンビニで求人誌を買って隅々まで見ると、驚くことに建築事務所の求人が目に入る。
"事務員募集"
私は、その事務所の面接を受けることにした。
妊娠していることは、正直に伝えた。
そして未婚なことも。
出産するときには休まなければならないから。
事務所の所長はうーんと唸った。
だけど、私が建築事務所で働いていたことを告げると、それならと受け入れてもらえた。
そして、ワンルームだけれど、部屋まで用意してくれた。