アウトサイダー
それから数か月が過ぎた。
もうそろそろあの家ができている、はずだ。
だけど、それを見に行く勇気がなかった。
太陽と私をつなぐたった一つの希望。
だけど、あの時逃げた私に、そんな権利はない。
大きくなったお腹に手をあてて話しかける。
「リビングは南向きで、すごく日当たりがいいの。
その隅っこにあなたの遊び場もあるのよ。
少し大きくなったら、お庭にある白いブランコで遊ぶの。
ママはね、そんなあなたを見ながら洗濯物を畳んで、お庭に小さな花壇を作って……」
それ以上は、もう言えなかった。
あとからあとから涙が溢れてきて――。