アウトサイダー
「ママね、大好きだった人がいたの。その人が作ったおうちなんだよ」
あのキーホルダーを握りしめて……。
少しくらい泣いてもいい?
ママはそんなに強くはないの。
太陽との唯一の絆のキーホルダーはひんやりとしていて、まるで私の心の中を示しているようだった。
太陽……会いたい。
またあの時のように、あなたの優しさに包まれたい――。
静かに流れていく涙が大きくなったお腹にポタッとこぼれて。
この先の不安に飲み込まれてしまいそうだった。
ワンルームのアパートの片隅で、ただ震えていることしかできない。
これじゃあ、この子を守れない。