アウトサイダー
「とにかく、元気そうでよかった。
お父さんとお母さんもすごく心配しているぞ?」
「ごめんなさい……」
永沢さんは俯く私の頭をよしよしと撫でる。
「赤ちゃんは、順調か?」
「はい。あと2か月で」
「そうか。早いな」
永沢さんは目を細めて私のお腹に視線を送る。
「篠川くん、頑張ったと思う。斉藤も認めてる。
彼、一級建築士に合格した」
「ほんとに?」
「あぁ、一発合格だ。しかもあんなに忙しかったのにな」
涙が……止まらない。
太陽は本当に夢を叶えたのだ。
決して恵まれた環境ではなかった。
それでもあきらめることなく、必死に努力し続けて。