アウトサイダー
「紗知……」
ゆっくり私に近づいてきた太陽は、私の手を取った。
いつも私を守ってくれた大きな手が微かに震えていて――。
「本当に、紗知だ。やっと……」
彼がそう言いながら下唇を噛みしめる。
震える声と揺れる瞳。
その時初めてわかった。
彼にどれだけ心配をかけたのかを。
「赤ちゃん、は?」
「うん。元気に……」
「紗知もか?」
「うん」
太陽とこうして会話を交わしているのが不思議でたまらない。
もう捨ててしまったはずの熱い感情が、マグマのようにどんどん湧き出てくるのがわかる。