アウトサイダー
「私、太陽に甘えてもいいの?」
「おぉ。子供がふたりってとこだな。任せとけ」
太陽は、彼の言葉に涙する私をゆっくり抱き寄せながら、額にキスを落とす。
こんなに熱心なパパは、きっと私たちを守ってくれる。
「太陽……これにつけていい?」
私は鞄の中からあのキーホルダーを取り出した。
「お前まだこれ……」
「だって宝物だもん」
私の手にあるそのキーホルダーごと私の手を包み込んだ彼は、ほんの少し潤んだ目で私を見つめる。
「紗知、この家に嫁に来てくれないか。
いや、違うな。一生俺の隣で笑っていてくれないか」
「太陽、私……」
「愛してる、紗知」
それから重なった唇は、今までで一番甘くて、しょっぱかった。