アウトサイダー
退院した私たち。
あのキーホルダーにつけた鍵で真新しい家のドアを開けると、彼は言った。
「紗知、お帰り」
「太陽、ただいま」
私の居場所は、ずっと彼の隣。
あの時、彼が言った言葉は嘘じゃなかった。
「おーい。お前のおうちだぞ」
太陽は、私の手に抱かれている光(ひかり)の頬を触りながら、優しい笑顔を向ける。
それなのに、光は「わーん」と大声で泣き始めてしまった。
「わ、悪かったよ。パパのこと嫌いなのか?」
そんなことですごく落ち込んでいる太陽は、きっととびきりいいパパになるだろう。