アウトサイダー
「紗知、光座らせたぞ」
「うん、ありがと。お手々拭いてくれる?」
子供を育てるってすごく大変だ。
だけど、一日単位で成長していく光を見ていると、楽しくて仕方ない。
その成長の速さに驚きつつ、一瞬たりとも目が離せない。
「はーい。光の大好きなニンジンとしらす入りの雑炊ですよ」
私が光の口に小さなスプーンを持っていったけれど、遊びを止められた彼女は不機嫌でソッポを向いてしまう。
「えー、いらないの?」
彼女の好物を作ったというのに、ちらっとスプーンを見た光は、テーブルをパンパン叩いて「いやだいやだ」をした。
「しょうがないなぁ。俺に任せろ」
私からスプーンを取り上げた太陽は、光の離乳食と格闘しはじめた。