アウトサイダー
「紗知の復帰第一段」
「うん」
「俺たち、スゲー恵まれてるよな」
「うん」
ろくに仕事をしていない私に、またお金にならない仕事をさせてくれるのだ。
思わず流れた涙は、太陽が不器用に拭ってくれた。
「俺たち、社会の溢れ者だっただろ?」
「うん」
「だけど、そんな俺たちだって、こんなに幸せになれた」
「……うん」
すっかり涙声になってしまった私の頭を、太陽が撫でる。
「この子たちにも、幸せをあげたいんだ」
そう微笑んだ彼の瞳も少し潤んでいた。