アウトサイダー
その後、太陽がいつの間にか予約しておいてくれた素敵なレストランで昼食をとり、彼と結婚してから初めてのふたりだけのデートを楽しむ。
ずっと見たかった映画を見て、斉藤さんが設計したあの雑貨屋さんに足を延ばして、いっぱい買い物をして……。
楽しかった。
まともなデートなんて、住宅街を歩き回ったあの頃以来で。
あれからどれだけ月日が流れて、どれだけ周りの環境が激変して……。
そんなことを考えながら、太陽の手をギュッと握った。
あの家に来てから、太陽は私の体を気遣いつつ、会えなかった時間を埋めるかのようにいろんなところに連れ出してはくれたけれど、無理をして働いていたせいで早産になりかけていた私には、こんな時間を持つことができなかった。
だから、こんな状況が信じられない。