アウトサイダー

「太陽?」

「大丈夫」


そう言った太陽は私を席に座らせると出ていってしまう。

どうして? 
太陽のしようとしていることがわからない。

目の前の彬さんを直視できない。
だって……。


「ごめん、紗知。驚かせたね。でも、元気そうでよかった」


彬さんの言葉に頷くと、彼は私にジュースを頼んでくれる。


「授乳中なんだろ。カフェインあんまりよくないよな」


ウエイトレスを呼んで手際よく注文をする彬さんを、ドキドキしながらチラッと盗み見る。

最後に会ったあの時の眼光の鋭さは消えていて、心なしかふっくらしたようにも思えた。


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