アウトサイダー
太陽のお母さんは、夜勤だった。
母はお礼も言えないと嘆いていたけれど、同じような境遇だから、きっとわかってくれるはずだ。
私たちのギリギリの選択を。
彼の部屋は、実に殺風景だ。
黒いパイプベッドと、小さな黒いテーブル。
片隅にあるカラーボックスが、本棚の代わり。
たったそれだけ。
洋服は備え付けのクローゼットの中だって言っていた。
この小さなテーブルは、時には私のおやつ置き場となり、時には私の勉強場所だった。
ここで太陽に勉強を教えてもらって、私は大きくなったんだ。