アウトサイダー
「なにか、飲むか?」
「ううん。いい」
彼が冷蔵庫に行く時間さえ、もったいなかった。
ほんのわずかな時間でも、彼と一緒に過ごしたかった。
ベッドにもたれるようにして座った私の隣に、太陽がドサッと座り込む。
ここが私たちの定位置。
何回こうやって肩を並べただろう。
そして、今日が最後の……。
「紗知、ホントどうした? なんか変だし」
彼は本当に気がつく人だ。
少し熱っぽいとか、嫌なことがあった日とか……いつもすぐに気がついて、その度に世話を焼いてくれた。