アウトサイダー
彼の大きな手が私の額に触れる。
「熱はないな」
彼に触れられた瞬間、私の中に無理矢理抑え込まれている感情が、突然反逆をしだして暴れ狂う。
嫌だ。
太陽と別れるなんて、絶対に。
思わず口をついて出てしまいそうなほどの強すぎる感情に蓋をするために、唇が切れそうなほど噛みしめた。
そんなこと言ったって、彼が困るだけ。
私に四六時中くっ付いてもらって、彼の自由を奪う事なんてできない。
太陽がこんなにバイトを頑張るのは、夢があるからだ。
勿論今の生活を助けるためでもあるけれど、彼はそれ以上にバイトに励んで、その夢のために走っていた。
彼は……大学に行くのが夢だ。
そこで建築の勉強をして、1級建築士になるのが、彼の夢。